はじめに
「ゲーム開発者の地図: 20年の個人開発から学んだこと」を読んだので簡単に紹介します。
著者のプロフィール
SmokingWOLF
大阪府大阪市出身。
1998年よりゲーム公開サイトを開設し、
以後、ゲーム開発者として主にWindows用フリーゲーム、
シェアウェアゲーム、ゲーム開発ツールを制作している。
Twitter : @WO_LF
本書の私的おすすめポイント
・能力アップ系のゲームバランスの調整方法が分かる!
1章では主に「ゲームバランス」の調整方法に書かれています。
RPGを作ったことがある方なら経験があると思いますが、「プレイヤーの攻撃が全く通らない」とか「連続攻撃したら難易度がかなり下がってしまった」とか、能力アップ系のゲームバランスってかなり設定が難しいんですよね。
本書では以下の3つのテーマからゲームバランスの調整方法を述べています。
1、強すぎる? 弱すぎる? 「連続攻撃」の調整の難しさ
2、ダメージ0で無敵!? 「引き算の防御力」の可能性
3、早すぎる! ウェイトターンバトル×再現なく上がる速さの組み合わせ
どれもRPGでは必須のパラメータで、ゲームバランスを決定する重要なテーマです。こういった内容が本書では書かれてあります。
・挫折せずにゲームを完成させる方法が分かる!
2章ではキャラクターやタイトルの付け方といった「メイキング」について書かれています。
その中でも、特に私が有益だなと感じた内容は「ゲームを完成させる作り方」です。
私も最後まで作り上げることができなかったゲームがたくさんあります。いわゆるエターナる(永久 [エターナル]に完成しない)ってやつですね。
本書でも書かれていますが、前から順番に全力で作っていくと大体後半力尽きます。私もそうでした。
そうならないために、「まずプロトタイプを作成」して、後から「肉付け」していくプロセスを本書では推奨しています。
この内容にはすごく共感できました。なぜなら、時間とモチベーションは有限なので、どのタスクに時間を割くか、これがゲームの完成に大きく関わってくるんですよね。
しかも、プロトタイプをさっさと作ると、テストプレイしてもらえるので、そのフィードバックを参考にして後半どこに力を入れるのかが把握できるようになります。これはかなり納得できました。
本書の惜しいポイント
・途中のコメントコーナーがやや冗長
本書は464ページあり、読み終えるまでの平均時間は約9時間と書かれてあります。その内、約半分は著者が制作したゲームの内容と、コメントを交えた会話形式の体験談でした。
私は手法と結論を素早く学びたい性格なので、コメントコーナーの部分は途中から読み飛ばしてしまいました。
ただ、このレビューを書くために、もう一度見返したところ、大見出しのトピックをさらに小分けにして深堀りしていて、ちゃんと読むと参考になるという印象でした。
こんな人におすすめ
・RPGのゲームバランスに悩んでいる人
・ゲームを作り上げた経験があまりない人